宮城県気仙沼市は、遠洋漁業の基地として有名な一方、ノリやカキ、ホタテなどの養殖漁場としてもすぐれています。
そんな気仙沼の海を見つめ続けて来た人々がいます。
NPO法人「森は海の恋人」。
今から30年前、気仙沼湾に赤潮が発生し、養殖のカキが大きなダメージを受けました。
当時から養殖業を営んでいた、今の理事長 畠山 重篤さんは、カキのエサとなるプランクトンが運ばれてくる元、つまり川や森に暮らす人々と価値観を共有しなければ、きれいな海は帰ってこないと悟り、現在のNPO法人の前身となる「牡蠣の森を慕う会」を立ち上げました。
以来30年、植樹祭を始めとする「森づくり」の他に、様々な体験プログラムを通じた「環境教育」、研究機関等と連携した「環境保全事業」、そして東日本大震災後にスタートした「まちづくり事業」と幅広い分野で活動しています。
今回取材した副理事長の畠山 信さんは「今、一番力を入れているのは、環境教育」と話します。
その中心に据えているのは次代を担う子どもたちですが、大人の世代の知識レベルも併せて上げないと相乗効果は得られないと考え、大人から子どもまですべての年代を対象として、体験学習や講演会への講師派遣などの活動を行っています。
「自然を良いと判断するか悪いと判断するのは人間。その「心持(こころもち)」が大切だということを伝えるには、森から海までの循環を伝えるの一番効果的だと思う」と話す信さん。
最後に「自然を守るために大切なことは?」と聞いた所「自然保護を突き詰めて考えるのも大事だけど、自分の子どもや孫の時代に豊かな自然が残っているか?ということを考えながら生活することが大事だと思う。」と話してくれました。
100年後、200年後の子どもたちが、豊かな自然に包まれることが出来る海を守っていきたいですね。