海と日本プロジェクト in みやぎのオリジナルイベント「志津川湾 森里海めぐり隊!」2日目も気持ちのいい青空となりました。
宿舎となった平成の森を出て向かったのは、志津川魚市場。豊かな志津川湾では、様々な魚が水揚げされます。なぜ魚種が豊富なのか、どんな取り組みをしているか学びます。
志津川湾は寒流と暖流が混ざり合うため、季節ごとに水揚げされる魚種が豊富です。この日は、志津川の名産のタコ、夏の味覚・ホヤのほか、イワシ、マグロ、アナゴ、カニ、ツブ貝などが水揚げされていました。他の三陸の市場と違い、沿岸漁業が中心のため近海の魚が多く見られるのも志津川の特徴です。
また、小ぶりのタコを再放流したり、ヒラメやマコガレイの稚魚の放流などを行い、資源管理型漁業を普及させています。こうした取り組みが魚種豊かな海を実現させているんですね。
ASC認証は、環境や地域社会に配慮した養殖業だけが取得できる国際的な認証!
志津川湾では、かつて大規模で過密な状態での養殖を行ってきたため、カキのフン等で水質が悪化していました。
しかし、震災をきっかけに改善を目指し、自然への負荷を減らしながらカキに栄養分を供給できるよう、養殖施設を3分の1に減らしました。
今では、海の環境も自然に近い状態を取り戻しています。
震災前は種付けから2~3年かかって成長していたカキも、1年で出荷できるようになりました。
一見何もいないように見える海水の中には、食物連鎖の基盤を支える小さなプランクトンがたくさん存在しています。
三陸の海が、他の海に比べて透明度が低いのはプランクトンが豊富な証拠です。
このプランクトンを食べてカキがどんどん成長します。
そして、参加者をはじめとした人間の食生活にもつながっていることを知ってもらったよ。
豊かな森は豊かな海をはぐくむと言われています。
森には、「土を守る」「水を止める」「光合成」「生物多様性の維持」という4つの大きな機能があります。
このどれもが海の豊かさを守るには不可欠であるため、南三陸森林組合では、木材のためだけでなく水資源を守ることを考えた間伐作業や調整を行っているんです。
2日間に渡った「志津川湾 森里海めぐり隊!」も最後のプログラム。南三陸町で海産物店「たみこの海パック」を営む阿部民子さんに教えてもらいながら、スープの素を作りました。まず、志津川湾で採れる海藻をベースに、班ごとに具や出汁などについて話し合い。そして味見をしながら、いろいろな海藻を組み合わせて、スープの味を決めていきました。最後に、ネーミングを考えて終了。この2日間で学んだことをネーミングに反映させたり、志津川湾で採れる海藻や貝や魚を使ってくれて、嬉しく思いました。
「志津川湾 森里海めぐり隊!」。海から、里、森まで盛りだくさんの2日間でしたが、参加してくれた子どもたちは、志津川の豊かな海がどのようにして作られているのか、しっかり学んでくれました。ときには笑顔で、ときには真剣な眼差しで、取り組んでくれたのが印象的でした。きっと、普段の生活の中でも、今回学んだ海のことを思い浮かべてくれることと思います。そして、海を大切にする気持ちを持ち続けてくれると嬉しいです。本当に2日間、お疲れ様でした!
なお、今回、考案されたスープの素を元に、阿部民子さんが商品化してくださることになりました。秋口には完成する予定で、「たみこの海パック」のECサイトなどでご購入いただけます。お楽しみに!