女川町では昔から「ほやたまご」が食べられていました。
これは、ホヤでゆで卵を包んで、醤油やみりんと一緒に煮込んで作るもの。
女川町の中でも、一部の家庭だけで食べられているような、
とてもマニアックな郷土料理です。
宮城県は全国屈指のホヤの水揚げ量を誇りますが、
韓国への輸出が禁止されたこともあり、
国内でのホヤの消費を増やすために何か商品を開発しなければ、
ということで、女川の家庭料理であった「ほやたまご」を商品化したのが「マルキチ阿部商店」。
しかし、国内でもホヤの知名度はまだまだ。
知名度を上げるために考えた秘策が、カプセルトイでの販売でした。
もともとほやたまごは、2個セットでの販売。
1個ずつで購入したいというお客様の声があり、
1個販売の場合のパッケージをどうするか、いろんな包材を取り寄せていたところ、
卵型のパッケージを目にした社長の、
「ほやたまごに卵のパッケージ、これ、カプセル自販機で売れるんじゃない?」
という発想から、ほやたまごのカプセル販売が始まったそう。
お金を入れて自分で回して、出てくるのが卵型のカプセルに入った、ほやたまご。
このおもしろさから、SNSでも話題になり若い年齢層のお客さんも増え、
ほやたまごの売上げは、以前の4倍以上になったそうです。
今は県内を中心に設置している販売機も、
関東方面にも設置していきたいとおっしゃっていました。