事務局の田代です。7月7日、都内の日本財団で開かれた「親子で学ぶ海のそなえ教室」に取材に行ってきました。
この「親子で学ぶ海のそなえ教室」は、子どもたちに海の安全を学んでもらおうと開かれました。イベントでは、冒頭、「水辺の事故に関する調査結果」が発表されました。それによりますと、2012年から2016年に全国の水辺で起きた事故で、毎年およそ1000人が亡くなり、その7割近くが海の事故だったということです。
また、今回の調査では、宮城県に住む人で、マリンレジャーや散歩中に海で死亡する人の数が増加している傾向にあることも分かりました。県内の死亡事故にあった人は2012年に6人、13年に6人、14年12人、2015年13人、2015年13人と増え続けています。
この結果を受け、日本財団の海野光行常務理事は「宮城県は震災があり津波の影響から親御さんが子供を連れて海に行く機会は少なくなっていると思っていたが、死亡者数が増えている。海に対する関心も薄れているので、海の危険に対する備えも必然的に少なくなっているという、負のスパイラルに少しずつはまっているのでは」と心配されていました。海に行く機会が減れば、海の危険への知識もなくなるため、事故にあいやすくなってしまったのでしょうか。
さらに、震災の影響で、県内の海岸では、波が打ち寄せて跳ね返ってできる流れ=離岸流が増えた可能性が指摘されています。離岸流に巻き込まれると泳ぎのうまい人でもとどんどん沖に流されてしまうそうです。土木研究センターなぎさ研究所の宇多高明所長は、「宮城の海岸は震災で沈下している。全体的に海が深くなっていて砂の量は増えていない。震災前よりも状況的には離岸流が強めに出る。危ない方向になっている。」と分析していました。
また、この日は、親子20組が集まり、実際にライフジャケットの着用して、この効果などを確認していました。水辺の事故を防ぐためには、海でやってはいけないことを知る知識の「そなえ」、万が一の対応策を身に着ける行動の「そなえ」、ライフジャケットを着用する装備の「そなえ」が必要ということが説明され、子どもたちも納得した様子でした。
夏本番を前に、みなさんも海の危険をきちんと理解し、しっかり備えることで、海を安全に楽しみましょう!